2021年11月18日
第26回大会の終了にあたって思うこと
最初に毎日のようにブログを更新していく意気込みで始めましたが、終わってみればたった7回。言い訳のしようもありませんが、もうちょっと書けた、書かなければいけなかった気がします。このあたりのプレッシャーが薄かったのもオンライン開催のせい、ということにしておきます。
第26回大会は、第25回札幌大会に続いてすべてオンラインでの開催となりました。札幌大会終了後は「金沢大会は現地開催で大丈夫だろう」と高をくくっているところもあったのですが、次々とやってくるコロナの波に翻弄される形となりました。最終的にすべてオンラインでの開催を選択しましたが、「もう少し待ったなら」と少々悔やむ気持ちも多々あります。
オンラインでの開催は、時間の制約が取り払われるため視聴する側の利便性は飛躍的に向上します。「いつでもどこでも見ることができる」環境を望む声は大きく、今後の学会の開催形式としてもオンラインでのプログラムが消えることはないのではないでしょうか。また、本学会において全てのプログラムの合計上映時間は約101時間にのぼります。これらを全て視聴することは現地開催では(まあオンラインであっても)不可能です。これまでに現地開催でおこなわれた集会においては、ほとんどのプログラムが有効利用されていなかったのだなあと実感し、オンラインでの開催には様々なメリットがあることがあらためて示されたと思います。
一方で、集会型のプログラム復活も望まれます。今回、ライブ開催としてシンポジウムやプロコンを実施いたしましたが、どうしても演者から視聴者への一方通行の情報提供となりがちで、いわゆるディスカッションがあまり育ちませんでした。また、プログラム以外の情報交換もおこうことができませんから、ディスカッションの中から産まれてくる研究の芽をつぶしてしまっているのかもしれません。他の学会では集会型の開催もおこなわれるようなっています。本学会でも次回こそ会員が会して旧交を温めたいものです。
課題も多く見つかりました。特に著作権に関する問題は、緊急の課題になります。著作権の問題には2つの方向があります。1つはそのコンテンツそのものの著作権に関するもので、これは学会でのプログラム作成時(つまり約一年前)にどういう形式での公開になるかについて明確にし、あらかじめ作成者から同意を得る必要があります。1回限りのものなのか、オンラインでの開催中は繰り返しみられるようにするのか、アーカイブ化して学会終了後でもみられるように残すのか、いずれかの選択になります。今回は急遽、開催形式を変更したためにこのあたりが曖昧になってしまいました。
もう1つはコンテンツに含まれる他の人の著作権に関する問題です。発表するコンテンツを自分のオリジナルデータだけで構成できる人はごく少数だと思います。他の方の論文を引用する場合には必ず引用先を明記する必要がありますし、他の方の著作(出版物)から図表を転載するには出版社の許可も必要になります。まして、インターネット上の写真やイラストはほとんど使うことができません。結果として「他人の著作権を侵害したコンテンツ」を学会で採用することはできなくなります。そのためにはすべてのコンテンツで著作権チェックをおこなう必要があり(今回はおこなっていません)、これからの学会運営には大変頭の痛い問題になります。まずはコンテンツを作る側が著作権を意識したものを作成しなければいけません。味気ないものになってしまう気もしますが、これも時代の流れのようです。皆様のご理解とご協力が必要です。
2021年10月25日
Live配信 終了
シンポジウム、プロコンなどのライブ予定のセッションが23日、24日の2日間おこなわれ大きな問題もなく無事に終了しました。演者、座長のみなさま本当にありがとうございました。虚空に向かって喋るのは大変難しかったとは思いますが、視聴してみると「やはりライブはいいなあ」と感じました。内容がすんなり入ってきます。ところが残念なことに、どのセッションもライブで視聴した人は100人未満であり、視聴している人からの質問も少なく座長が苦労しておられる場面も見られました。このあたりは改善のポイントになります。ひとつには時間帯があります。天気の良い休日の昼間にパソコンの前に座って何時間も視聴しようと思う人は少ないのでしょう。
今回、スポンサードセミナーとして行われた二つのセッションに関しては、ライブ配信のみでオンデマンドでの配信はできません。これは著作権の問題によるものです。われわれがプレゼンテーションを作るときには様々な素材をインターネット上で探し出して利用していますが、その時に素材を提供している人の著作権を侵害している場合が多いからです。1回限りで終わってしまう講演(今回のライブ配信に相当します)では、まだ大目に見られていますが、録画して繰り返し見られるとなると厳格な企業ではコンプライアンスに抵触するとみなされてしまうのです。これはキャラクターとか写真だけに限らず、今後は他人の論文に含まれている図表などに関しても同じ扱いになるかもしれません(引用先を明記してもダメになるかもしれません)。今後、プレゼンテーションを作るときには(特に繰り返し視聴されるようなコンテンツに関しては)、極力、著作権を侵害する可能性のあるものは利用しないようにしなければなりません。「そんなんじゃ、プレゼンなんて作れない」という声もごもっともなですし、医療の教育においては大きな障害となりますのも明らかですが、そのような社会の方向性のようです。今回のスポンサードセミナーがライブ配信のみでおわりオンデマンドでは視聴できないのはそのような理由によります。
第26回日本心臓血管麻酔学会はまだ続きます。今回録画された他のコンテンツに関しては早急にアップロードいたしますので、ぜひ視聴していただきますようお願いします。
2021年10月22日
中間アンケートの結果について
中間アンケートを実施させていただきました。学会の形式としてはオンライン、オンサイトを併用するハイブリッド型が望ましいこと、TEEや専門医セミナーについては今後もWEBでの実施が望ましいこと、学会の期間としては2ヶ月程度というのは概ね受け容れられていることなどの結果が得られましたので、その旨、常任理事会でお伝えします。
また、いくつか要望があり対応可能なものに関してはこれから対応してまいります。
- 1)
- 「学会終了後もコンテンツを視聴したい」という希望について
学会のプログラムに関しては、アーカイブ化されて自由に視聴できるようになる予定です。今回の学会プログラムもそうなります。JBPOTや専門医セミナーなど有料プログラムに関してはどのような形式になるかは明確に決まってはおりませんが、こちらも学会ホームページから閲覧できるようになるものと思います。 - 2)
- ビデオを閲覧時の早送り機能について
会長独自企画(Top surgeons、5分間動画、大技小技など)のプログラムに関しては画面の右下にある歯車のマークをクリックしていただくと、画質と再生速度をコントロールすることができます。学会プログラムに関しては、視聴時間から学会参加を認定するシステムになっているため早送りすることができません。今後の検討課題とさせていただきます。 - 3)
- 学会プログラムのインデックスが不十分で、直接プログラムからコンテンツにリンクして飛ぶことができない点について
これは先の「大会長のつぶやき」の中でもふれましたが、コンテンツにアクセスするためには参加資格を確認するゲートを通る必要があるためにおきる問題です。外部に置かれたホームページから直接コンテンツにアクセスできるようにすると無料で閲覧できてしまいます。将来的にホームページも学会のサーバーの中に置けるようになれば(その予定です)、この問題は解決します。今学会に関してはご不自由でしょうが、検索機能により目的のコンテンツを見つけてアクセスしてください。 - 4)
- JBPOT試験終了後に今回のセミナーの内容を視聴して振り返りに用いたい
学会の期間は11月15日でJBPOTの翌日までとなっています。学会はそこで終了しますが、しばらくコンテンツを視聴できる期間を延長できるように調整いたします。
2021年9月27日
第26回心臓血管麻酔学会が始まって10日間が経ちます。
学会の会長というと大きな花のリボンをつけて、にこやかに微笑みながら各会場を回り挨拶を交わす印象を持っていましたが、完全にWEB開催になってしまうとそういうこともなく、日常の臨床を続けている毎日で、自分の中では盛り上がりにかけています。さらに、ここにきてコロナがどんどんと収束に向かっていき、判断を早まったかなと少し後悔もありますが、まあ完全WEBと決めたのも自分ですし、そこは仕方がありません。学会プログラムへのアクセスは順調に伸びていて、みなさん自分の時間で楽しんでおられるようで、そういう気軽さがWEB開催の最大のメリットかなと思います。学会の会期は11月15日までありますが、「気が付いたら終わっていた」ということもよくありますので、興味を持てそうなプログラムはお早めにご覧下さい。
2021年9月17日
最初から謝罪
いよいよWEBサイトがオープンとなりました。皆さんの最初の感想は「使いにくい!」ではないでしょうか? 言い訳をさせてください。この原因はオンラインのデータが二つのサイトに分かれてしまっていることと、参加費を払った会員しかアクセスできないようにゲートが設定されていることにあります。心臓血管麻酔学会事務局としては、大会コンテンツをアーカイブとして保存蓄積していくために独自のサーバーを昨年の学会時から立ち上げています。一方、学会そのもののホームページなどは会長に任されていて、今回の学会でも別な外部サーバーを確保してWEBの運営をおこなっています。現状としてはホームページ(金沢の夜景が背景)で「このプログラムを聴いてみたい」と思っても直接1クリックで飛ぶことができません。皆さんのアクセスは、まず事務局のサーバーと照らし合わせて「この人は会員か?」「参加費を払っているか?」をチェックしてからしかコンテンツにアクセスできないからです。そのため、一度学会サイト(JSCVA2021 ONLINE COURSES)に移り、そこで検索して自分の視聴したいプログラムを見つけて開く必要があるわけです。いずれすべてを学会事務局のサーバーの中で展開できるようになれば、このような問題は起きないのですが、過渡期の学会としてご容赦ください。できる限り移動がスムーズになるように改善していきます。
また、学会がスタートしているのに間に合っていないコンテンツがたくさんあります。これらに関しても、もうしばらくお待ちください。準備ができしだいアップしていきます。
2021年9月15日
いよいよ第26回心臓血管麻酔学会が始まります
いよいよ第26回心臓血管麻酔学会が始まります.数多くの企画が詰まった学会となりました.集会型の学会ではすべてのプログラムに参加することは不可能ですが,WEBでは開催期間も長くなり,自分のペースで自由に視聴することが可能です.せっかくですから今回の学会では全てのコンテンツを視聴して,順次このブログで見所を紹介していきたいと思います.いったい何時間分になるんだろう?