日本心臓血管麻酔学会 第26回学術大会
坪川 恒久
(東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座 教授)
本年の大会もWEB上のみで開催することになりました.3年前に会長を拝命したときにはCOVIDなど存在せず,大会開催にむけて様々な企画を考えておりました.昨年,第25回大会が急遽WEB開催に変更になったときにも,「来年にはCOVIDは収束して,久しぶりの集会を皆さんと楽しめるかな」ぐらいに思っておりましたが,2021年8月末現在,今後COVIDがどこまで拡がるか全く読めない状態となり,断腸の思いではありますが金沢での集会は断念し,WEBのみでの開催といたしました.しかし,プログラム作成の段階で,ある程度WEBでの開催を想定しておりましたから,ほとんどのプログラムはWEBに移行することができましたし,逆にWEBならではのコンテンツも追加して,新しい学会の形式を提案できたかと思っております.今後,COVIDのあるなしに関わらず,オンサイト(現地集会)とオンラインの“いいとこ取り”であるハイブリッド形式の学会は進化していくでしょう.
本学会のテーマとして掲げたのは“On the same page”です.この意味としてはチームとして共通の目的を持つだけでなく,そこに到る過程の青写真も共有するという感じになるかと思います.心臓手術においては,手術としての完成形を頭に描くことはもちろん大切ですが,そこに到るまでにどのような手順でおこない,どこにどのようなリスクがあり,どのような対処方法を準備しているかというところまで,外科医,麻酔科医,心肺士,看護師,その他のチームメンバーが理解し,即座に動ける状態にあるチームが理想であると思います.本学会が各チームでのSame pageの確立に少しでも役立つことを願っております.