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会長挨拶

日本心臓血管麻酔学会第20回学術大会 会長 外 須美夫(九州大学大学院医学研究院麻酔・蘇生学 教授)

 この度、日本心臓血管麻酔学会第20回学術大会を福岡市のアクロス福岡で2015年10月9日(金)-11日(日)に開催させていただくことになりました。本学会は1996年に設立され、今回でちょうど節目の20周年を迎えます。すでに故人となられた藤田昌雄先生、劔物修先生、森田茂穂先生をはじめ、多くの諸先輩たちのご努力により本学会は誕生し、事務局長や年次会長、そして理事、評議員を中心とする役員や若い会員たちの積極的取り組みによって本学会は大きく成長してきました。会員数も順調に成長し、学会としても立派に発展を遂げて来ました。まさに本学会は、夢見る幼小期を経て、いま希望に燃える二十歳の青春時代を迎えています。
 本学会のテーマを「心臓麻酔に心を込める」とさせていただきました。二十歳に必要なのは、希望に燃えること、そしてその情熱を持ち続けることです。心臓麻酔に情熱を持ち続けること、心臓麻酔に心を込めること、それを第20回学術大会の機会に誓うべく、二十歳の誓いとして、「心臓麻酔に心を込める」を学会のテーマにしました。
 最近の心臓血管手術の進歩や変遷には目を見張るものがあります。カテーテルによる弁置換や弁形成術、ステントによる大血管手術など低侵襲手術が飛躍的に増加しつつあります。また、再生治療や人工心臓の進歩も期待されます。麻酔科医としても、このような心臓血管領域の進歩に追随し、一緒になって先端医療を支える必要があります。新時代の心臓血管麻酔を構築する必要があります。
 今回の学会では、本年(2014年)に改訂される「ACC/AHA非心臓手術患者の周術期心血管評価ガイドライン」を徹底分析したいと思います。そのため、本ガイドライン作成の中心人物であるペンシルベニア大学のDr. Lee A. Fleisher 先生に来日して頂き講演を予定しています。参加者には出席するだけで新しいガイドラインをしっかりと理解できるようなプログラムを提供したいと思っています。本学会のもう一つの大切なメッセージは、チームで取り組む心臓麻酔です。心臓麻酔に心を込めるのは、麻酔科医だとしても、心臓麻酔は麻酔科医だけではできません。外科医と内科医と麻酔科医が一緒になって取り組まなければなりません。医師だけでなく、看護師、臨床工学技士を含めた多職種のチーム医療の実践が欠かせません。そういった視点から、チームで取り組む心臓麻酔をもう一つの焦点にしていきます。さらに、本学会の特徴である学術委員会による継続的プログラム作りを継承し、それぞれの委員会からの最新の話題を織り込んで内容を充実したものにしていきます。
 学会二日目の10月10日(土)の朝には、大濠公園をジョギングする「心臓麻酔科医のためのFun Run」を企画しています。心臓麻酔に心を込めるためには、麻酔科医自身の心臓が健康でなくてはいけません。福岡での出張ランニングを是非体験してください。
 福岡の麻酔科医が心を込めて、博多のおもてなしで皆さんを迎えます。どうぞ多くの会員のご参集をよろしくお願いいたします。