会長挨拶
第24回日本心臓血管麻酔学会学術大会を開催するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。 私が心臓血管麻酔を担当するようになってから 30 年近くが経ちます。この間の心臓血管外科の手術件数の増加と手術内容の複雑化は、まさしくビッグバンと言っても過言ではなく、その劇的な変化に対応してきた我々心臓血管麻酔科医の学習の場、情報交換の場が本学会でした。まさしく明日からの臨床に役立つ話題を提供することがこの学術大会の使命と考えます。さらに、若い麻酔科医にとって心臓血管麻酔が憧れの subspeciality となるように、彼らに夢を見てもらう大切な機会でもあります。そこで本学術大会のテーマを「嚆矢となれ」として、アメリカで活躍中の日本人麻酔科医を多数招聘し最新の麻酔情報を日本語で参加者に提供することを topic としました。
ITを使えばほとんどあらゆる情報が手に入る今の時代に、わざわざ学会場に赴き勉強をすることのメリットは、ただ会場に着席して講演を訊くだけでは手に入りません。皆さん、会場では1日に1回は演者に質問をして下さい。双方向の communication を real-time に行えることこそが学会の存在価値なのです。会場を歩いている先生方にも気軽に声をかけて質問して下さい。皆、喜んで教えてくれるでしょう。
「来てみれば、訊く程もなし富士の山、釈迦や孔子もかくやあるらん」、の気持ちをもって学会場へ来て下さい。皆さんが学会から帰る頃には、「見るべき程の事は見つ」、と満足してもらえるような有意義な学会にすべく努力致します。会員の皆様の多数のご参加を心よりお待ち致しております。
2018年9月16日
日本心臓血管麻酔学会 第24回学術大会
会長 溝部 俊樹(京都府立医科大学 麻酔科)